和菓子採集の旅〜鹿児島編① あくまき

端午の節句には粽や柏餅をいただきます。
ちょうど先日、鹿児島を訪れたのですが
鹿児島をはじめとする南九州では端午の節句にあくまきを食べます。
鹿児島の人にいわせると
鹿児島ではちまきといえば、あくまきなのだそうです!


あくまきはもち米を木灰からとった灰汁に一晩浸して竹の皮につつみ、それをさらに灰汁の中で3時間以上炊いたものです。

鹿児島滞在時は端午の節句に近かったので
デパートや各店ではあくまきが売られ、
スーパーでは家庭で作れるように
もち米、竹の皮、そして大きなペットボトルに入った灰汁が売られておりました。

ご家庭により、米粒の残し具合などこだわりがあるようで
家庭の味として根付いているのですね!

さて、今回は鹿児島でポピュラーな梅木屋さんのあくまきを購入しました。
梅木屋さんのものは樫の木の灰からつくった灰汁を使い、6時間ほど鉄釜で煮込んでいるそうです。
竹の皮を開けるときれいな飴色のもち米がでてきます。

柔らかくくっつきますので
切るときは包丁ではなく
竹の皮を結んでいたひも状の竹の皮をさらに細く裂いて、
それを糸がわりに巻き切ります。
これはお店の方に教えていただきました!


あくまきは口にするとうっすらと灰汁独特の燻製のような香りがします。
のり状のお米のようなものなので
たべるときは砂糖入りのきな粉をかけますが
ここにもこだわりがあり、
黒糖入り、白砂糖入りと砂糖が違うのです。
地元のひとには黒糖が好まれるようです。

あっさりとした甘みでいくらでもたべれます!!

店員さんによると、鹿児島の甘めのお醤油をつけて食べる方もいるそうです。

この竹の皮で包まれたあくまきは薩摩藩の携行食だったそうで、
高温多湿な気候のなかで灰汁と竹の皮で
食料を保存するという知恵がいまでは文化、生活として受け継がれていることを実感しました。

和菓子あさ貴

普段の生活のなかでに ふと気づく季節の移ろい、 日本のよきものを 和菓子教室を通じて おつたえしていきます。

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