さてさて、名古屋の最終編は
亀広良ときた川さん。
美濃忠のあとに亀広良さんに向かいます。
閑静な住宅街のなかにその店はありました。
ショーケースの中には季節の雛飾りと
お菓子が展示されています。
和菓子には季節感がつきものですから
こういうディスプレイは季節の移ろいを感じ嬉しいですね。
なかは季節の上生菓子のほか、
惜しまれながらも亀末廣が閉店したあとに引き継いだ名物「うすらひ」と「茶三昧」が置かれています。
亭主さんにお声をかけると
注文していたうすらひをだしてくださいました。
とても気さくなかたでうすらひのこだわりについて教えてくださいました。
うすらひは二種の菓子を層にしたように見えて、実は京こなしと伊勢芋の芯の部分のみを使用した練り薯蕷のあいだに黒糖の香り高い大島こしあんを挟んだ三種の組み合わせの半生菓子なのです。
東京ではあまりこなしをみませんが西の方のエリアでは好まれて使われます。
こなしは餡に小麦粉や餅粉をまぜて蒸しあげたものです。
上生菓子には関西ではこなし、関東では求肥を餡にまぜた練り切り生地が使われることが多いです。
私「こなしだかはモチっとしたかんじですかね」
店主「モチっととはまた違うかな。
うーん…
🤔 🤔🤔
シコッと」
なるほど!シコッとですね!
常々、和菓子のデザインの完成度については感心していますが
特にこのうすらひに関しては
プロダクトデザインとしてとても完成度が高い。
アートの域だよねーと思うのです。
味はしっかりめでそれぞれの歯ごたえも楽しめる。
今時期は春の衣装の春容となっています。
そしてもうひとつ、
茶三昧は黍を使いサクサクと軽く香ばしい食感のふ焼きに固めにたきあげたこしあんをはさんだお菓子。
楽茶碗を高台の側からみた意匠で、茶三昧と名付けられています。
お願いしていたお菓子をだしていただく間に
わらび餅が目にはいりました。
・・・とてもおいしそう。
購入していただいたわらび餅は
すくうのも困難なほど柔らかい
口内で溶けていくよう。
中の餡は極上の丹波産小豆で、
店主によると渋を切らず旨味を最大限に引き出した製法だそう。
これは良質の小豆だからこそできること。
その自慢の餡は雑味がなく
これまたわらびの後口同様、すっときえていく。
至福。。。。
さて最後は尾張菓子 きた川さんへ。
尾張菓子とついているところにこだわりを感じます。
その尾張菓子の名にあらわれるように
きた川さんのふわふわ生地の羽二重餅が本当に美味しい。
お店の名物であるへそくり餅はそのふわふわ羽二重の中にジューシーな蜜漬の金柑がまるごと入っています。
ふわふわ餅にみずみずしく爽やかな酸味の金柑の相性は抜群。
そしてこのお菓子をたべるときは心して食べるべし。
初めて食べた時は蜜が水鉄砲のごとく飛んで
悲惨なことに😂
ほかに店内にあったわらび餅と上生菓子を。柔らかなわらびに中は粒あん。
わらびに粒あんを合わせたものは珍しいかも。
とろける柔らかなわらび餅に、
粒の食感が面白く豆大福のよう。
黒糖の大島餡を包んだ上生菓子は
しっとりとした生地に黒糖のコクが一体となったお菓子で美味しくいただきました。
名古屋ではおなじみの羽二重が美味しいことはもちろん、
名古屋は本当に美味しいお店が多いなぁと実感した旅となりました。
0コメント