お干菓子と初釜 〜大徳寺総見院


先日、茶人 木村宗慎先生の
初釜のお干菓子を作らせていただきました。
せっかくなので初釜のようすをぜひ。
とはいえお茶室でのことなので
すこしだけですが・・

初釜の場所は信長の菩提寺の大徳寺総見院。
信長亡き後の政権争いの中、秀吉が主導権を握るため建立した歴史的に大変重要な寺院で特別拝観期以外は通常は公開されていません。
秀吉による「大徳寺大茶会」では、総見院方丈に秀吉が茶席を設けたとの記録が残っているという由緒ある茶室なのです。
向かうと「在釜」の文字。
これはざいふと読み、茶会を催していることをしらせています。

香煎席ではイギリスの骨董のティーボウルがならべられておりました。


昨年、番組製作のため何度かロンドンを訪問されており、滞在中に買い集めたということ。
湯飲みのような形状のカップは
ハンドルがつく前の時代のものでありとても貴重な品!
そちらに同じくイギリスで買い求めたという紅茶(とても香り高い!)が注がれました。

主菓子は聚光さんの紅白のおだまき。
モンブランクリームみたいにやわらかい!!
さすがの聚光さんの生菓子です。

濃茶席がまた圧巻。
松竹梅の取り合わせで
花入は見事な半枯。
しゅんしゅんとした釜の音と外の雨の音。。。
静寂の中で身が引き締まります。
お茶会はこの時間がとても好きです。


点心席では
瓢亭さんの三段弁当。

今年の目標は完食!
いつもボリュームがあるので完食できずにいたのでした。
となりの方の
「リズムを止めず無心に食べると良い」
というアドバイスのもと、完食!!
このアドバイス、私には適切でした^_^

そして次の薄茶席は濃茶とかわり和やかなムードで。
松山の老舗、西岡菓子舗のつるの子。
皇室御用達のお菓子です。
西岡菓子舗のつるの子は繊細な柔らかさにつくられています。
手作業で作られるため大量生産は難しく、店舗以外では流通していない幻の菓子なのです。中のカスタードのような餡がとろけるようで本当に美味しい。
私はこちらのつるの子はつるの子界の(そんな世界があるなら!)川端道喜の御菱葩餅だと思っている。
そしてもう一つの干菓子は私、あさ貴がつくらせていただきました。
取り合わせに作らせていただいた干菓子は

「常盤」。

鶴に松という組み合わせです。
くるみ、松の実にお屠蘇につかわれる陳皮、山椒などをあしらい、正月の清々しいお菓子を目指しつくらせていただきました。

爽やかに香りたちすっとした後口は
皆様に大変好評いただき、
鶴乃子のふんわりとろりとした食感と
常盤のざっくりもっちりとした食感で
対比をお楽しみただきました。

京都の1日はあっという間に…
初釜に伺うと心ひきしまり、
今年も頑張ろうと思えます。
気持ちの良い一日でした。



和菓子あさ貴

普段の生活のなかでに ふと気づく季節の移ろい、 日本のよきものを 和菓子教室を通じて おつたえしていきます。

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