和菓子採集 水無月 

暑いですね💦
今年は梅雨明けも早く、八月を迎える前にはすでに夏バテ!?の予感。
今は冷房があるからよいですが、
むかしは夏を乗り切るのも一苦労だったのではないでしょうか。

古くには、この夏を乗り切る宮中行事がありました。
旧暦の6月1日に氷を貯蔵する施設、氷室をひらいた「氷の朔日こおりのついたち」とよばれる氷の節句があり、この日に氷室の氷をとりよせ、口に含み暑気払いをしていたそうです。
しかし、当時の氷はとても貴重で庶民には手に入らないもの。
そこで氷のかけらをかたどった三角の餅をつくり氷に見立てたのが水無月という菓子がはじまりました。
三角で氷のかけらを表し、うえに邪気祓いの小豆をのせることで、夏の病気を祓う意味を持つ、この形態になっているのです。

また「夏越の大祓」という行事があります。
これは一年の折り返しの6月30日に半年の間にたまった罪穢れを祓い、この先半年の無事を祈るものです。
京都ではこの夏越の大祓のときに水無月をたべ、健康をいのります。

今回はこの水無月を食べ比べしてみました。

まずは定番の外郎製

とらや
55×70×30mm
白水無月: 小麦粉大めと新粉のしっかりと固めの歯切れよい生地、
                最後に米の香りが鼻に抜ける。
                色の白さが際立ち、断面、角の綺麗さはさすがのとらや。
                生地は甘さが抑えめだが、小豆の味、甘味はしっかり。
水無月:    白下糖、中双糖、砂糖のブレンドでのコクのある甘さ。
               生地自体もしっかりしていて全体にとらやさん的なはっきりとした味わい。
               色は羊羹のような濃いめの色。
              

たねや
100×140×25mm

サイズが大きい!
和菓子採集の場合、
お店から買ってきたそのままを撮影することにしています。
自分で切るのかしら?と考えつつ、
パッケージをみると
これが二つはいって二個入りと表記されていることもあり、そのままで並べました。

うるち米粉に葛󠄀が入っているため、柔らかくプルンとした生地。
今回の水無月のなかで最も柔らかい。
生地に甘味がなく、豆の甘味が楽しめる。
あっさりとしているので大きくてもペロリと軽く食べられる。
豆が大きめで一粒一粒がふっくらとしている。

俵屋吉富
70×95×20mm
米粉、小麦粉の生地。
水無月:  白生地はなめらかだがしっかりと固めな仕上げ。
黒糖生地:  生地はやわらかでなめらか。
                 黒糖の色は薄い茶色で黒糖もほんのり感じる程度で上品な味わい。


次は外郎でも変わり種。

仙太郎
70×90×25mm
白と黒糖と抹茶の三種展開。
今回は抹茶のみ購入。
生地は一番餅らしくしっかりとして、腰と歯ごたえが楽しめる。
抹茶が含まれているせいか生地自体に甘味はなく、豆の味をしっかり楽しめる。
豆も大きめ。

大角玉屋
70×90×25mm
小豆のかわりにあんずがのっている変わり種。
口にするとあんずの甘酸っぱさが広がる。
あんずがクローズアップされるが、
小麦粉、上新粉に蕨粉ふくまれた生地は透明感があり、もちプル触感が楽しめる。

最後に葛製の水無月。

末富
60×80×22mm
葛󠄀の香りがしっかり。
甘味はやわらかで上品な仕上げ。
氷のような見た目のようにスッと口どけよく、茶席に合う。
豆はパラパラと配置しているので、葛󠄀の透明感が際立つ。


甘春堂
40×55×27mm
葛󠄀製。プレーンと黒糖の二種。
今回は黒糖を購入。
この中では最も小ぶりで可愛らしい。
黒糖の味はあっさり目。


いわれなどがあるなかで
各お店様々な工夫がされていますね

しっかり、全て美味しくいただきました!

和菓子あさ貴

普段の生活のなかでに ふと気づく季節の移ろい、 日本のよきものを 和菓子教室を通じて おつたえしていきます。

0コメント

  • 1000 / 1000