東京都庭園美術館にある
重要文化財の茶室「光華」にて開催されました
特別茶会「ガラスの清寂」のお菓子を
作らせていただきました。
庭園美術館には実は庭に茶室があるのです。
お菓子をお持ちした日は
夏の空が広がり気持ちがいい朝でした。
旧朝香宮邸の茶室「光華」。
武者小路千家の茶人 中川砂村が設計、
大阪の数奇屋大工平田雅哉によるもの。
小間、広間、立礼席からなる茶室です。
天井が高く、明るく開放的な造りで
アール・デコ様式を好んだ殿下の好みが反映されています。
美術館のお茶会のご案内より
「お茶室はエアコンがなく夏の暑さは厳しいです。そこで、「生命の庭」展の出品作家であった青木美歌さんに制作していただいたガラスの茶道具などを用い、冷茶、簾、ガラスの風鈴など涼感あふれる室礼にて、みなさまをお迎えいたします。現代ではむしろ体感することが少なくなった、日本家屋での夏の風情を味わってみてはいかがでしょうか。広間での呈茶のあと、学芸員による小間のご案内もいたします。」
ということで暑さ盛んな時期に
目で、耳で、五感で涼を感じるというお茶会です。
directionは
茶道家・陶芸家の沼尻真一様、
茶道家の海老澤宗香様。
この度は皆様とコンセプトやイメージを
何度もつめ、試行錯誤を繰り返して
お菓子を作り上げました。
詳細は後半に。
とても楽しいお菓子となりました。
いよいよ始まり。
会は美術館ゆかりの
ルネ・ラリックをオマージュし
ガラスへの思いが随所に感じられます。
夏のガラスは目に涼しいですね。
茶室を渡る夏の風のなか
より涼を誘うつららのような花器は
由元慎吾さん作。
青木美歌さんの作品。
水たまりに夏の空を映し出したような光景は
夏のあの日の中に引き込まれそう。
主茶碗はなんと
ラリックのコキーユ。
オリジナルとのこと!
床は8/4 旧暦の七夕にあわせ
国宝 金堂八角灯籠 音声菩薩様。
夏の庭は幼い頃の光景を思い起こさせます。
風鈴も夏の庭に風情を添えます。
お菓子はこちら。
菓銘は「ciel」といただきました。
フランス語で天空を意味する言葉。
お菓子の雲があけると
庭からの夏の日差しを
取り込むように
色とりどりの光が現れます。
雨つぶ、木立など
さわやかな夏の光景が広がる様。
夏特有の湿度とさわやかな草の香りの
空気感を白ワインで表現しました。
皆さま、
夏の光景を楽しむかのよに
光にかざしたり、横から眺めたりと
楽しみながらお召し上がりいただきました。
そのあとは小間に移動して
学芸員の板谷様より
ご説明いただきました。
名前のように光が入り、明るく開放的な茶室です。
面白いことにこの茶室は入り口が二つあるのです。
躙り口ともうひとつ貴人口。
天皇家の方々が利用されるので
かがんで部屋入りしないのですね!
確かに~!
ご厚意で貴人口をあけてくださいました。
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