2022 和菓子採集 花びら餅

さて、久々の(数年ぶり?)和菓子採集。

今年いただいた花びら餅たちについて
書こうと思います。

まずはやはり!
川端道喜 御菱葩
いわずとしれたキングオブ花びら餅。

今年もいただけるとは 涙
本当にありがとうございます。
掛け紙の下には
《「御菱葩・おんひしはなびら」と「試餅・こころみのもち」の事》
という書面もついています。


その姿は美しく
整然と鎮座する様子は神々しい。。。


室町時代後期より禁裏御用を務めるこちらのお店。
お店の文書には宮中の行事御用品が記載された絵巻物があり
そのなかの「御買物始」という図では、
三宝の上に菱形の紅色の餅を重ねた円形の白い餅を並べ、
その上に搗栗や味噌、二匹の鮎などを並べ調進し
鏡餅とともに宮中にお飾りいただいていたとのこと。
この鮎が牛蒡に代わり、味噌がぬられ
正月恩賜の配りものとされ、のちの葩餅として伝わっています。
薄く綺麗にのされた求肥は
透ける羽衣のよう
中からとろりとあふれる味噌餡は本当に繊細。
求肥に包んでこぼれださない、、
その絶妙な加減というのは本当にすごい技術です。
そのため黒文字で切らずに
懐紙に包んで端を折り曲げ、クレープのようにがぶっといただきます。

さて次の花びらに。
大きさの違いが
わかりやすいようにならべてみました。

左奥が二条駿河屋さんの 花びら餅
他の花びら餅よりも柔らかめの求肥に味噌の塩味はしっかり目。
滑らかな求肥はとろけるような触感です。
しっかり目の塩味が牛蒡の個性を受け止めています。

右奥は末富さんの 花びら餅。
高さがありぷっくらとした形。
白さが美しい羽二重餅は厚みもしっかりあるので歯ごたえも感じます。
白みその甘さは上品に仕上がっています。
ごぼうも白く柔らかく美しく、
全体に品良い仕上がりです。

そして、ことしは東京は太市さんの花びら餅もいただきました。
太市さんは予約限定のお店。
午後遅めにお伺しました。


恐る恐る戸をあけてみると
予約していた箱が一つ、本日最後の受け取りだったようです。
とても丁寧にご対応いただきました。

さて、花びら餅。

牛蒡は細め。
クレープのように薄い求肥は
もはや餃子の皮のよう。
ここまで薄く延ばすのは大変だろうな。。
道喜さんによると求肥はできるだけ薄く延ばすことが肝要と、
そのような感じにとても薄くのばされています。
なので、口にすると消えるようになくなり、
軽い食感が美味しく印象的です。
白みそも甘さと塩気のバランスがとれていて
この繊細な皮との相性が良かったです。
皮が薄いこともあり、内の紅色が映え
華やかですね。

こうして様々なお店の花びら餅をたべてみると
①餅  ②牛蒡  ③白味噌
この三つの要素のバランスの考え方の違いがわかります。

牛蒡の個性の活かし方と
白味噌のバランスがあっての
全体をまとめる餅の触感、、
奥が深いお菓子で大変勉強となりました。

和菓子あさ貴

普段の生活のなかでに ふと気づく季節の移ろい、 日本のよきものを 和菓子教室を通じて おつたえしていきます。

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