長崎菓子の面白さ①

先日、通りかかったデパート催事で
長崎物産展が開催されておりました。

長崎といえば出島を通じ
鎖国時代に唯一オランダ船が行き来できた地域。
多くのものが輸入され、その中には砂糖もありました。
出島に荷揚げされた砂糖は、
長崎から、佐賀を経て小倉へと続く長崎街道から
京都、大坂、江戸へと運ばれました。
また砂糖とともに、製菓技術などももたらされ
長崎では当時にしては砂糖をふんだんに用いた
様々な銘菓が生まれることとなりました。

今回の物産展でも
長崎ではポピュラーだけど
私たちには珍しい菓子もたくさん出品されていました。
そんな歴史があり、
長崎らしいお菓子をご紹介いたします

まずは言わずとしれた長崎カステラ。
《松翁軒 長崎カステラ チョコラーテ》
長崎ではカステラのお店がいくつもあります。
「福砂屋」、「文明堂総本店」、
そして「松翁軒」がカステラ御三家とされています。
松翁軒は江戸時代中期、1681年の天和元年に山口屋貞助が
カステラや砂糖漬けの技術をもとに創業しました。
お店が長崎と福岡と限定したエリアで
展開されており知る人ぞ知る店となっています。

ここで紹介するのはチョコレート味のカステラ。
明治時代には当時珍重されていたチョコレートを使用した
松翁軒オリジナルのカステラ「チョコラーテ」として
チョコレート味のカステラを初めてだしたが
この松翁軒です。

カステラ自体も他のお店と比べて
卵の量が多く、卵の風味が強いしっかりとしたカステラですが
こちらの「チョコラーテ」は
チョコレートパウダーではなく、カステラに合わせて特注したチョコレートを使用しており
チョコの味がしっかりとしています。
カステラのキメだけど、まるでガトーショコラのような濃厚さ。
この濃厚でリッチな味わいはなかなかありません。
しっかりとカステラの良さとチョコの良さをいかしきった
逸品となっています。

そして、カステラもチョコラーテも
しっかりとザラメが入っております。
個人的にはカステラにザラメは必須ですね!
砂糖も上白糖、目の違うザラメを二種つかいこなしたこだわりの品です。
機械化しておらず職人の手で生地の具合、
泡きりのタイミングなどをみきわめています。

それらカステラのノウハウと
チョコレートの高級なこくがマッチしたお菓子です。
なお職人さんのオススメは
少しトーストしてから生クリームをのせるとのこと。
私はあまったものを低温オーブンで乾燥焼きしてラスクにしました。
二度、三度としっかりと楽しめます!
 

和菓子あさ貴

普段の生活のなかでに ふと気づく季節の移ろい、 日本のよきものを 和菓子教室を通じて おつたえしていきます。

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