長崎といえばさきに紹介したカステラ。
しかし長崎にはポルトガル伝来の珍しいお菓子が他にもあるのです。
それは「カスドース」。
平戸藩門外不出の菓子として
庶民は食べられなかった幻のお菓子です。
始まりは定かではないのですが
平戸藩の松浦家に代々伝わる「百菓乃図」にも記録があるほど
歴史あるお菓子なのです。
カステラを卵黄でからめ、
糖蜜で揚げるポルトガル伝来の銘菓。
イメージとしては
カステラのフレンチトーストといったところでしょうか。
フレンチトーストは中まで液に浸すことが多いですが
こちらは外に液をからめ、糖蜜で揚げて
周囲にグラニュー糖をまぶしています。
このザクっとした触感と
濃厚な黄身のコク、そして中のカステラの甘味と
他には類を見ないお菓子となっています。
当時は高級品であった卵と砂糖をふんだんにつかったこの菓子、
お殿様しか味わえなかったことがよくわかりますね。
平戸には1550年からポルトガルの南蛮船が入港しており
1570年に長崎の港が開かれるまでは
平戸が唯一の交流の場として
最新の物や情報が入ってきた場所となっていました。
カスドースはその間に神父の人によりもたらされたとか
長旅で乾燥したカステラをアレンジしたなど諸説あり、
カステラの製法より早く伝来していたという説もあります。
当時は最新の贅沢なスイーツとして
庶民には手の届かない憧れのスイーツであったことは
間違いないでしょう。
写真は1502年創業の蔦屋さんのもの。
長崎最古の菓子司です。
郷土菓子として歴史に裏打ちされる
平戸銘菓です。
0コメント